窒素樹脂溶接とは、酸化を防ぐため高温の窒素をプラスチック当て溶かし、専用の溶接棒で溶接していきます。
今まではプラスチックの修理(接着)は専用の接着剤など使い行われてましたが、接着剤では理論的に強度不足で
修理と言うレベルでの提供は難しいとされてました。
窒素樹脂溶接は接着剤での修理の何倍もの強度での修理が可能になりました。

この写真の部品は分解するだけで割れて取れてしまう部位を
窒素樹脂溶接で修理した物です。接着剤で修理すると部品を
取り付けた時に再度破損してしまう可能性が高いのですが、
溶接して修理する事で再度取り付けや分解を可能としました。

プラスチック溶接とは

簡単に言うとプラスチックを高温にし再度溶かし溶着させる技術です。接着剤で接着する強度より遥かに高い強度で溶着出来ます。
ただプラスチックの中には溶接出来ないプラスチックも有ったり、同じ素材同士のプラスチックしか溶着しなかったり何でも溶接で直る訳ではありません。

プラスチック溶接のメリット・デメリット

メリットとしては今までの技術では成し遂げるのが不可能だった強度で溶着(修理)出来るという事です。
もう生産されてない物だったり、凄く高価な物をリーズナブルに修理を可能となりました。
デメリットとしては鉄やアルミなどの溶接と違い条件が限られたり、高度な技術が必要な為に安価なプラスチックパーツなら
新品を買った方が安く済んだりします。

事例紹介

32スカイラインGTRの燃料タンクの割れによる燃料漏れの修理になります。
日産指定の修理では接着剤なのですが、直ぐに漏れてしまって使い物にならないと言う物でしたが、
窒素樹脂溶接での修理によって今まででは出来なかったハイレベルでの修理が可能で、
我が社では全国各地の日産ディーラーなどから修理依頼が来ています。
修理したタンクの中にはサーキットで酷使してるタンクもあり、問題なく使用出来てるそうです。

かなり古いメルセデスベンツのリアバンパーになります。
同業者様からの依頼で、もう既に生産は終了しており、中古パーツも無く、
どうしても修理をしたいと言う事でお預かりしたそうなのですが
接着剤での修理では強度的に不可能で同業者様が出来ない溶接の作業のみを
依頼された物になります。
窒素樹脂溶接技術が無かったら車自体諦めるしか無いと言う案件でした。